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幸せってなんだろう。 [そうかずほ]

なんちゅう重くてウザいタイトルなんだろう。(笑)

さて、間が空いてしまい、申し訳ありません。
いつも、ほんとすみません。

間が空いてしまったことには、理由があります。

梅田で観た「心中・恋の大和路」という作品が全然わからなくて、
あまりにもわからなすぎて、文字にもならなかったのです。

雲をつかむよう、という言葉がありますが、つかむべき雲すら見えないほどに、
何もつかめなくて、一緒に観劇した友人たちにわからないを連発して、
友人たちにはたいそうウザがられました(笑)

それでも、東京で観た心中、は、つかみたいと思える雲が見えたような気がして、
そうすると、観れば観るほど少しずつ味がわかってきて、わかって来る感覚が面白くて、
はじめは「梅田で3回も観たのに、何で東京は4回もチケット買ってもーたんやろ・・・」と思っていたのですが、
結果全部で7回観たことで、最後には「観てよかった!」と思えるところまでたどりつきました。

何がわかってわからなかったのかは、今もうまく言葉にはならなくてわからないのですが、
心中、という作品は、
「その人にとっての愛や幸せって何だろう?」
ということの回答例が、たくさん並べられた作品なんだろうと思っています。

例えば壮さんがお茶会でおっしゃっていたように、
かもん太夫は、大和の庄屋さんへお嫁に行くことは私の未来の幸せのためだ、と言ったけれど、
彼女の未来は本当に幸せだったのか?とか。
そのかもん太夫に恋いこがれた与兵衛さんは、たった1度の対面で気持ちがすっと軽くなったと言ったけれど、
だからと言って彼の恋がそんなもんだった、ということではないんだよね、とか。
メインの梅川忠兵衛のカップルについては言わずもがなですが、
彼らにとっての幸せは、忠兵衛が罪を犯す以外に手に入れられる方法がなかったのか、とか。
2人で生きていくために逃げて2人で死んでいくということは、悲しいけれど幸せだ、とか。

私も「私にとっての幸せってなんだ?」と自問自答したりしたことがありますが、
それって多分一生答えが出ないことなんだろうと思いつつ、それでも一生懸命答えを探すんですよね。

その答えのいくつかが並べて物語として提示されることで、
観ている人がみんな、登場人物の誰かと自分を重ね合わせて、自分の「幸せ観」と向き合うからこそ、
あんなにたくさんの涙が流れるのかな、と思い。
たくさんの人に作品が寄り添い、たくさんの人が作品に寄り添えることが、名作と言われるゆえんなのかなとも思い。
近松門左衛門という脚本家が描いた物語が長い年月をかけて愛され続ける理由は、そこにあるのかもしれない、と思いました。

ちなみに今回の心中、では、雪山の本当のラスト、息を引き取る瞬間の忠兵衛さんが大好きでした。
梅川と恋人として過ごした切なくて狂おしいほどに苛烈で刹那的な人生と、
お梅と夫婦として過ごした短くて辛かったけれど本当に手に入れたかった2人だけの幸せの、
その全てを抱きしめて死んでいく彼の表情は、幸せと安堵でいっぱいで、
それを手に入れるために失ったものは大きくて多かったし、
後に残された人のことも考えろよなー!!と思わず叫びたくはなりますが(笑)
それと同時に、いろんなことがあって大変だったと思うけどよかったね、お疲れさま、
と声を掛けてあげたくなるような、可愛らしく清々しい表情なのでした。


ちょっと話は逸れますが、今日観劇まで約3時間の暇つぶしに、
篠綾子「女人謙信」(文芸社文庫)を購入して読んだのですが、
(話は上杉謙信は実は女だった、というありきたりと言えばありきたりなテーマではありますが)
主人公である「女・謙信」も、その母も、姉も、そして謙信の侍女も、
みんな「私の幸せとは何か?女の幸せとは何か?」を自問しながらそれぞれの人生を生きていました。

壮さんもお茶会で、かもん太夫の幸せ、について触れていましたが、
(あれを語るのをやめたのは、きっとディープな女子会トークになっちゃうからだと思う・・・(笑))
昔も今も、男性よりも女性の方が「幸せになれるかもしれない」選択肢が多いからこそ、
女は「私の幸せ」を悩むのかもしれないな、と思いました。
結婚して出産して子どもを育てるのが幸せなのか、仕事に生きるのが幸せなのか、ほかにも幸せがあるのか、とか。
ねぇ・・・。
いやぁ、重いなぁ(笑)

そして壮さん。
退団したら、途中で止めてしまった「私の幸せ」トーク、ぜひ語ってくれませんか?(笑)
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Yumiko

お久しぶりです!
今回はminamiさんと観劇できなかったので、
初観劇したあとはminamiさんの感想が恋しくて、
だいぶ、悶えてました(´-ω-`)

なので、このブログを読んで
なるほどなぁって思う所も沢山あって、
深い話なんだなぁっと思いました。

忠兵衛さんと梅川が亡くなった時、私はお2人は観てなくって
八右衛門さまばかり観てました(;^ω^)
梅田の千秋楽でようやくお2人を観て、
八右衛門さまのお歌と合ってて、とても幸せな気持ちになりました。

壮さんの「私の幸せ」トークで女子会してみたいですね♪

by Yumiko (2014-04-21 21:54) 

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