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牧文四郎と壮一帆 [そうかずほ]

プレお披露目公演の初日まで、いよいよ2週間を切りましたね。
今でもまだ信じられませんが、
壮さんが楽しみにしている一番大きな羽根を見たら信じられるのかなぁ、
なんて、ぼんやり想像(というか妄想)しています。

私は人並み程度に「読書が趣味」ですが、
大変なミーちゃんハーちゃんなので、藤沢作品を手に取ったことはありませんでした。
でも今回は壮さんのおかげで、今まで手に取らなかったことを悔やむほどの
「私好み」な作家と作品に出会うことができました。(まー上から!)

おかげさまで、藤沢作品を初めて手にしてから1ヶ月の間に、
蝉しぐれを含めて5作、蝉しぐれに至っては1ヶ月のうちに2回読破するという、
人生初の快挙(?)を成し遂げました。
こんなに早く「もう一回読みたい!」と思い、
流し読みではなくきちんと2度読み通したのは初めてで、
多分、まだ何度でも読めると思います。

それは恐らく、強烈で爽やかな読後感にあるのだと思うのですが、
壮さんも何かのインタビューで言っていましたが、最後の、

「それが出来なかったことを、それがし、生涯の悔いとしております。」
(文春文庫「蝉しぐれ」p.462)

という牧文四郎の台詞が、とてつもなく味わい深く、
こういうことが言えるこの人、ものすごくかっこいい!
と小説の中の人物なのに、ほんとうに惚れ惚れしてしまいました。

でも、それよりも更に好きな一文があります。

「長い間のその辛抱は、いま報いられたと文四郎は思っている。
(中略)
不遇のどん底にいたときも、悪声を放たず、人と争わず、
身を慎んで剣と学問に精出してきたからだと文四郎は思う。」
(文春文庫「蝉しぐれ」p.352)

初めてこの文章を読んだとき、何かに触れたような気がしたのですが、
それが何かはわからないままでした。
でも、こういう風に生きたいもんだなぁ、と思い、我が身を振り返りました。

けれど2度目にこの文章にさしかかった時、
あ、これって壮一帆さんのことかも・・・と思ったのです。

この文章の後、文四郎は自分自身が政戦の最前線に巻き込まれて行くのですが、
それまでの不遇の時を乗り越え、その後に訪れた幸せなときをつくったのは、
他でもない文四郎の、抑制され鍛えられた心の賜物だったのですが、
それはそっくりそのまま、壮さんに重なるような気がしたのです。

きっと、壮さんもこんな風に思っているんじゃないかなとか、思ってみたりして。



[宝塚雪組トップスター・壮一帆 藤沢作品でトップデビュー]
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130124-00000130-san-ent

「何度もチャンスを逃して、自分じゃダメなのかなと思った」

という言葉に、涙が出ました。
その高くそびえたって、普通の精神力では乗り越えられないであろう壁を、
黙々と乗り越えた今の幸せを、ファンにも分けてくれて、
ほんとうにありがとう。
2月5日の初日を、そしてその先の壮一帆さんの八面六臂の活躍を、
心から応援し、楽しみにしています。
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yumiko

昨夜ようやく、読みましたよ~「蝉しぐれ」
すごく読みやすく、面白かったですね。
minamiさんのブログを読んで、着眼点のすごさに感銘しました。
「長い間のその辛抱・・・」は
私も感動したシーンですが
壮さんに重ねる事までは思いませんでした。
もう一度読み返すと、確かにそう思えて
感動が倍増しました。ありがとうございます。

お披露目まであと10日ですね。
今か今かと待ち遠しくてたまりません。
ぜひとも、素敵な一日にしましょう(*'v`艸)
by yumiko (2013-01-27 12:11) 

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